晴れ

結果として美咲ちゃんは病院を辞めた。そうか...としか言えない。泣いてた、あの子、ごめんねって。辞めるって決めた時一番にねこちゃんのこと思ったよ、ねこちゃんのことひとり病棟に置いていくこと、頑張れなくてごめんね。わたしも美咲ちゃんにひとり置いていかれるんだなと思ったよ、そのことは言わなかったけど。どうしてただ働きたいだけなのにこんなにぐちゃぐちゃにされなきゃいけないのかなぁ、みんな最初は何にも分からなかったはずなのにやっぱりそんなこと、忘れちゃうのだろうか。わたしは辛かったことずっと忘れたくない、誰にもつらく当たりたくない、そうして今のわたしとあの日々の美咲ちゃんをやっと救う。今頃あの子は病棟にいるのかな、辞めること正式に言いに行くって言ってた。その後、夜になったらふたりで飲みに行こうとも言った。わたしは今東京行きの新幹線に乗っている、初めての夏休み、最終日です。

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実家に帰っておじいちゃんの手術を見てきた。右大腿骨頭置換術、毎日病棟で見てる手術を身内もするのはなんだか感慨深い。病院違うとしてるケアも術前後看護も違かったり同じところもあったりして面白い。でも尿交をビニール袋でするのはちょっとやめた方がいいと思います... 看護師がみんな優しそうでいいなぁと思った。ほんとうのことなんて何も分からないけど今は自分の周りが一番最悪で自分以外は良いものとしてしか見れない。

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ゆきのさんと北千住で飲んだ時、飲んだ時以外それ以前もだけどずっとゆきのさんがつらい思いして働いてきたことを知って、そして聞いて、ほんとうに偉いなぁとしみじみ思った。耐えるしかない。それしかできないのだけど、どうしてもそれがつらい。例えば、明後日に生きてきて一番素晴らしい瞬間が巡ってきたとしても、今日と明日がゴミのような日だったらそれはもうゴミなんですよね。分かりますか、言ってること...未来の楽しさで今の辛さを乗り切ることができない。目の前にあることだけがわたしを救ってくれるし穴にも簡単に落とす。いちいち気にしなきゃいいだけの話なんですけどね、ダメなんですよほんとうに...これまで傷付くのはわたしだけだったんですけど、今は「美咲ちゃんもひとりでこういうことたくさん言われて辞めていった。ここのトイレでたくさん吐いたんだよなぁ...ここの部屋で泣いてたな、何されて泣かされたんだろう」と考えてしまう。そうするともう堪んない気持ちになってズタ袋みたいになってしまう。美咲ちゃんの分まで考えちゃうと二倍三倍ダメになる。

もう仕事のことは考えたくない。明日からまた仕事なのも嘘だと言ってほしい。他のことを大切にしてわたしのことを大切にしてほしい。それだけ、ほんとうにそれだけ。