10月27日(日)すっきりと晴れ

こんなにすっきりきっぱりと晴れた空を見たのは久しぶりだった。休みの日なのに5時に目が覚めてしまって「日曜なのにこんな早くから目が覚めてクソかよ」とツイートする。すぐに眠気がきて次に目を開けたら8時だった。カーテンの隙間から空色が見えて憂鬱になった。雨でも晴れでも気分が下がってしまうのはどうしてだろう。こういうのが本当のクソなのかもしれない。ところで私はもう19歳なのだからクソと言うのをやめた方がいい。最悪な口癖だ。やめよう。しばらくベッドに転がってうだうだしたあと、かなしくなってきたので牛乳をレンジでチンして粉末コーヒーを溶かしたのを作って、たまっていた洗い物をして、布団を干して、洗濯機を回して、ゴミをまとめて、洗濯物を干した。久しぶりに窓を全開に開ける。換気は好きだ。どんなに寒くてもする(ただし晴れた日だけ)。自分のにおいが溶け込んだ部屋の空気に昔から鳥肌が立った。窓も網戸も開け放つと空気の塊が外へ流れ出る気がする。部屋の中がリセットされたような気持ちになる。そのあと化粧をして着替えて、部屋に4冊だけあったスラムダンクの完全版を売りに近所のブックオフへ行く。280円なり。105円の文庫コーナーで4冊本を買って、帰りがけにスーパーに寄って帰ってきた。私のお母さんはたいして物も買わないくせに1回の買い物に永遠と時間をかける人だった。ぼんやりしてる人だがら、買い物中もぼんやりしてしまうんだろう。「ママを見張っといて」と言いながら私を横に付かせて野菜コーナーを巡っていた。そんなお母さんから産まれた私の買い物は早い。10分で済ませる。一人暮らしの買い物は孤独を煽る気がするし、現に孤独になった。孤独はきらいだ。私は別に世間一般的に見て友達は少ない方ではない、けど、なんとなく孤独になった時、泣きたい気持ちだけど涙は1つも零れない時、連絡する相手が全くいない。誰かと何かお喋りしたら少しは元気が出るんだろうな~と思ってはいるんだけど、誰と話したいのかも分からないし、話したい相手もいない。あっちから来てくれたらいいのにとは思う。あっちから来てくれたらいいのに。そしたらとっても嬉しい。泣いちゃうくらい。残念ながら現実では誰もこないし、私は部屋で1人でどうしようもなく独りだ。

夕方になって日が落ちかける頃に料理を始める。料理はいい。何も考えなくていいから。ポケットにウォークマンを入れて音楽を聴きながら野菜を切って、炒める時には買ってきた文庫本も持ち出して、左手で本を持ちながら右手で炒める。視線は文章を追っているから、フライパンからどんどん野菜がこぼれていく。昔からそうなのだけど、料理をする時に料理だけをすることが出来ない。ゲームをしながらだったり、本を読みながらだったり、音楽を聴きながらだったり、ながら料理しか出来ない。お母さんはこの行為を「油が本に(ゲームに)飛ぶからやめて」と嫌っていた。いつしか注意もされなくなった。そのまま私は家を出た。今では誰もこの行為を注意しない。誰の前でも料理をしてないから当たり前だけど。さっそく買ったばかりの本に油がはねたし、湿気でページもよれた。いいんだ、この方が愛着が湧くから。この方が断然いい。

今週末はお母さんが千葉にくる。そしたら一緒に東京のやっすいホテルに泊まるのだ。うんと優しくしてやろう、どうやら私はいつの間にかホームシックにかかっていたようだから。